2018シーズンの楽天の最重要テーマのひとつは、「次の塁を狙え」です。

昨シーズンはチームの盗塁数がリーグ2番目に低い42盗塁でした。

そのため、走塁の強化が重要課題のひとつになっています。

その中で鍵となる選手が、島井寛仁選手です。

島井選手は昨年ファームで28盗塁を記録し、今年から支配下登録された選手です。

今回は島井選手について書いていきます。

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育成から這い上がってきた苦労人

島井選手は沖縄県生まれの27歳です。

2012年にドラフト5位で楽天に入団したものの、2年間は満足いく成績を残せませんでした。

2015年から育成契約を結び、新たなスタートをきりました。

はじめから育成選手として入ったならまだしも、支配下選手から2年で育成選手になったことは相当悔しかったと思います。

しかし当初から走塁の技術は高く(50m走5秒6)、ルーキー時代には2軍で16盗塁、3年目には26盗塁をきめました。

本人も育成選手になったことで、「自分にはこれ(走塁)しかない」と、走塁をみがくことを決めたそうです。

そして昨年(2017年)、自己最多の28盗塁に加えて打率も.295とファームで結果を残し、3年振りに支配下登録を勝ち取りました!

背番号は“0”です。

一桁の番号になったことは、首脳陣の期待のあらわれだと思います。

数々の試行錯誤から生み出された“リードの姿勢”

島井選手は、「盗塁や走塁は、練習だけでは決して上達しない」という持論があるそうです。

つまり、実戦での失敗を積み重ねてトライ・アンド・エラーを繰り返すことでしか上手くなれないということです。

練習と試合では空気も大きく違うでしょうし、試合でなければ経験できないことはあると思います。

これまでの試合で多くの試行錯誤を積み重ねてきた人にしか言えない言葉ですね。

このような試行錯誤を重ねて、島井選手は自身に最も適した“リードの姿勢”を見出しました。

リードの幅は13足分の距離を取り、重心が偏ることなくバランスのよい姿勢を取ります。

これで、「逆をつかれても必ず帰塁できる。何度けん制が来ても大丈夫」だそうです。

島井選手のコメントを読んでいて、走塁も非常に奥が深いんだな~と思いましたね。

おもしろいです。

リードの幅とか姿勢もだいたいで決めるのではなくて、ちゃんと計算されているんですね。

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ベースの側面を踏む

もう一つおもしろいことは、島井選手は走塁の時にベースの内側を踏むということです。

普通、走塁ではベースの角を踏むのが一般的です。

これは、ベースの真ん中ではなく角を踏むことで、最短距離で回れるからだと思います。

僕も少年野球時代に口酸っぱく言われたことを覚えています。

しかし、島井選手はベースの内側を踏みます。

これは島井選手によると、「角だと遠心力が働いて大きく膨らんでしまうが、内側だと踏んだ面を壁にして反動をつけることができ、加えて膨らみもなくなり、タイムも速くなる」とのことでした。

確かに言われてみれば角を踏むと膨らみますね(真ん中よりは膨らまないと思いますが)。

内側のほうが、より最短距離で回れそうですね。

でも内側を踏むとバランスが崩れて転びそうですね。

島井選手はそれも承知のうえで、「転びそうな体勢でベースを回るのが理想」だそうです。

プロ初盗塁を記録

5月26日のソフトバンク戦、島井選手はプロ初盗塁を決めました!

見ていたのですが、やはり速かったですね。

キャッチャーも良い球を投げていたのですが、余裕でセーフでした。

スタートも完璧でした。

意外にもこれがプロ初盗塁ということで、本人としてはもっと早く決めたかったと思います。

5月31日のDeNA戦でも盗塁を決め、さらに相手のミスに乗じて3塁まで進塁しました。

こういうプレーをどんどんしていってほしいですね!

まとめ

これほど走塁について考えている選手はいないんじゃないでしょうかね。

ここまでは出場機会が少なく、まだ盗塁もきめられていないですが、代走で出て6得点をあげています。

盗塁数も今後確実に伸びてくると思います。

島井選手は巨人の鈴木尚広さんのような選手になれると思います。

もう一皮むけて“楽天の鈴木尚広”になってほしいですね!

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